《優勝した#78岸野 治男選手のコメント》
「このレースは初めての開催なので、どの車が速いのか分からず、予選は単独でアタックしました。もし、前の車が遅かったらタイムは出せませんからね。作戦通りファーストアタックで自己ベストを更新できたのでヤッタと思ったのですが、リーダーボードの表示は5番手でした。上位の車は全て自分の後方で走っていた集団だったことが分かり、決勝はスリップを有効に使う作戦にしました。自分より前の4台とのタイム差はほとんど無いので優勝のチャンスは充分あると思っていました。決勝レースはスタートがきまり、1コーナーまでに1台抜き、Aコーナーで更に1台抜くことができて3番手までポジションを上げられました。これで離されなければ優勝できるかも、って思いました。トップに立ってからも後ろのプレッシャーが凄く、最終ラップはかなり焦りました。とにかく優勝できて嬉しいです。スピードの低い車でも同じ条件の中で戦えばバトルになりますから面白いですよ」
《参戦のきっかけ》
「この車は元々オーナーの奥さんが乗っていた車で、今年の冬の大雪でルーフが潰れてしまい、ルーフを交換修理したものの、修復歴のある車になってしまったのです。買い換えを考えていたのですが修復歴がある車は下取り価格が安くなってしまうので、それならばN-ONEレース用にしよう、というのが参戦のきっかけです。以前にもワンメイクレースに参戦しましたが、久しぶりにレースに復帰するにあたり、他のカテゴリーも考えました。でも、そのレースは参加台数がとても多く、非常に盛り上がってはいるものの、実情は激しいタイヤ戦争により特定のチームしか上位に入れず、参戦費用も高騰しているのが現状でした。そこでこのN-ONEレースに決めました」
Pos. |
Car No. |
Driver | Car Name |
Lap | Total Time |
Delay | Gap | Ave. Km/h |
Best Time |
Best Lap |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 78 | 岸野 治男 | IDI雄建アルファN-ONE | 7 | 18'25.053 | - | - | 103.066 | 2'36.986 | 6 |
2 | 813 | ピストン 西沢 |
エコピアJwaveN-ONE | 7 | 18'25.552 | 0.499 | 0.499 | 103.019 | 2'36.938 | 6 |
3 | 74 | 北嶋 優一 | レイハート N-ONE |
7 | 18'26.896 | 1.843 | 1.344 | 102.894 | 2'37.069 | 4 |
4 | 88 | 檜山 知樹 | N-ONEyahataBEAT | 7 | 18'29.884 | 4.831 | 2.988 | 102.617 | 2'37.539 | 4 |
5 | 111 | 野島 詳久 | ホンダ デザイン N-ONE | 7 | 18'30.875 | 5.822 | 0.991 | 102.526 | 2'37.792 | 6 |
6 | 38 | 岩間 浩一 | HCM SUPER N-ONE | 7 | 18'34.229 | 9.176 | 3.354 | 102.217 | 2'37.987 | 4 |
7 | 35 | 原田 健太 | ドットシー N-ONE | 7 | 18'35.542 | 10.489 | 1.313 | 102.097 | 2'38.314 | 3 |
8 | 666 | 高橋 純子 | N-ONE♥N-ONEガールズ | 7 | 18'35.701 | 10.648 | 0.159 | 102.082 | 2'37.925 | 5 |
9 | 34 | 桝本 隆介 | V-BOXカーズ桶川N-ONE | 7 | 18'53.055 | 28.002 | 17.354 | 100.519 | 2'40.215 | 2 |
10 | 12 | 福川 光一郎 | DXL★☆バルボリンN-ONE | 7 | 18'54.099 | 29.046 | 1.044 | 100.426 | 2'39.737 | 2 |
11 | 345 | 山中 恭子 | N-ONE★HG広報室 | 7 | 18'58.011 | 32.958 | 3.912 | 100.081 | 2'40.266 | 7 |
12 | 18 | 徳本 優 | N-ONE Modulo | 7 | 19'12.106 | 47.053 | 14.095 | 98.857 | 2'42.373 | 7 |
13 | 27 | 手塚 篤史 | WITH ME N-ONE | 7 | 19'46.308 | 1'21.255 | 34.202 | 96.006 | 2'48.291 | 7 |
14 | 72 | 沼田 勝義 | Team72R N-ONE | 7 | 20'04.934 | 1'39.881 | 18.626 | 94.522 | 2'50.007 | 3 |
15 | 123 | 山田 佳子 | チームホンダマガジンN-ONE | 7 | 21'21.407 | 2'56.354 | 1'16.473 | 88.881 | 3'00.463 | 7 | ***** 以上完走 (規定周回数 4Laps) ***** |
ファステストラップ:813 ピストン西沢 / エコピアJwaveN-ONE 2'36.938(6/7) 104.671km/h
■決勝レース 天候:くもり / 路面:ドライ
オープニングラップのオーダーは、#74北嶋を先頭に#813ピストン西沢、#78岸野、#88檜山、#111野島 詳久、#666スタート時刻は12時20分。気温22℃、この季節としてはやや涼しいコンディションの中、15台がグリッドに整列。
レッドシグナルの消灯とともに好ダッシュを見せたのはポールポジションの#74北嶋 優一。2番手争いは#813ピストン西沢が#88檜山 知樹をパスして1コーナーに消えて行く。その後方では5番手スタートの#78岸野 治男が序盤から素晴らしい追い上げを見せ、Aコーナーで#88檜山を捕らえて3番手に浮上。
高橋 純子がつづく。
3周目に入ると#74北嶋、#813ピストン西沢、#78岸野のトップ争いは激しさを増し、3台横並びでコーナーへ侵入していく。ヘアピンコーナー過ぎでトップに立ったのは#813ピストン西沢。2番手には#78岸野、順位を落とした#74北嶋は3番手につける。
#813ピストン西沢と#78岸野は、各コーナーでテール・ツー・ノーズの激しいトップ争いを繰り広げる。#78岸野は5周目の300R手前で勝負を仕掛け、#813ピストン西沢を抜き去り念願のトップに浮上。
2番手にポジションを落とした#813ピストン西沢は、6周目にこのレースのファステストラップとなる2分36秒938を叩き出して追い上げるが、トップを行く#78岸野は最後までこの猛追を退け、見事に初代ウイナーの栄冠を勝ち取った。2位には0.499秒差で#813ピストン西沢が入り、#74北嶋が3位でレースを終えた。女性ドライバー最上位は#666高橋で、ラスト2周まで6番手につける健闘ぶりを見せていたが、最終ラップに他車と接触するアクシデントがあり、8位でフィニッシュという結果に終わった。レース後#666高橋は、アクシデントにショックを隠しきれない様子であったが、周囲から厳しい注意や励ましの言葉をもらい、最後には笑顔が戻っていたのが印象的で、次回からの更にステップアップした走りが期待される。
このレース、トップ争いだけではなく、中盤以下のグループでも素晴らしいバトルが繰り広げられた。絶対的スピードが低い車でも面白いレースができることを証明した。