決勝レース 11月24日(土)
天候:晴れ / 路面:ドライ
空は晴れ渡り、気温14.8度、路面温度25.0度と鈴鹿サーキットはFINALレースに相応しいコンディションとなった。予選から約2時間のインターバルを空け、定刻より5分遅れの12時50分よりスタート進行が始まった。グリッドには出走を取り止めた1台を除く48台が整列。選手紹介が終わるとフォーメーションラップが開始された。1周の隊列走行を終えて全車がグリッドに着くと、シグナルがオールレッドからブラックアウト。#74 小野は好スタートを決め、先頭のポジションをキープして1コーナーに入る。その後方では絶妙のスタートダッシュを見せた#200 西郷と#127 小林が1コーナー手前で#34 石坂を捉える。さらに#127 小林は1コーナーの進入で#200 西郷のアウト側に並び、2コーナー手前で抜き去って2番手に順位を上げる。一方ペースが上がらない#34 石坂はS字コーナーの入口で#38 岩間にも抜かれて5番手までポジションを落としてしまう。#74 小野が引っ張る先頭集団は一列でダンロップコーナーを立ち上がり、西コースへと消えて行く。オープニングラップが終了した時点での順位は#74 小野、#127 小林、#200 西郷、#38 岩間、#34 石坂、#76 楠井がトップ6。2周目に入ると上位陣は揃って3分5秒台のハイペースで走行、それぞれの差は等間隔となる。そして3周目、#74 小野がシケインを先頭で立ち上がり最終コーナーにさしかかったところで突然ペースダウン。#127 小林はその#74 小野をコントロールライン手前でパスしてトップに躍り出る。その後#74 小野はペースが上がらずピットに戻って戦列から離れる。先頭に立った#127 小林だが背後に#200 西郷が迫りその差を広げることができない。最終ラップになると、トップ争いは#127 小林、#200 西郷、#38 岩間、#34 石坂、#76 楠井の5台に絞られる。先頭に立っても冷静な走りを続ける#127 小林は後続を抑えて6周を走りきり、トップでチェッカーを受けて念願の鈴鹿初優勝とシリーズチャンピオンを手に入れた。2位には#200 西郷、3位に#38 岩間、以下#34 石坂、#76 楠井、#101 川福 健太が入賞した。
《優勝 #127 小林天翔選手のコメント》
「レースは何が起こるか分からないとはこのことですね。小野さんとのタイム差もコンマ5秒あったので正直なところ諦め半分でした。でも絶対チャンスはあると信じて走ったのがこの優勝につながりました。スタートが決まったのがなによりでした。スタートで西郷さんを抜いた時は、大外から車速を乗せて2コーナーのブレーキ勝負に持ち込めました。その時西郷さんはフェアに自分のラインを残してくれました。小野さんのペースが上がらないのは1周目のS字で分かりました。このまま行けば小野さんがミスした時に抜くことができると思いました。ここまできたら優勝するしかないと気持ちを切り替えました。トップに立ってからは、このまま行きたいと思いました。中盤以降はペースが上がらなかったのですが、デグナーの立ち上がりをしっかり抑えることができれば、抜かれることはないと思っていました。S字は無理をせずタイヤをセーブして、デグナーはちょっと無理して走ったことが良かったのだと思います。メインストレートに戻ってくると黄色い軍団が応援してくれるのが分かり、優勝してチャンピオンを決めたいと思いました」
《2位 #200 西郷倫規選手のコメント》
「今年一番のスタートを切ることができたので、何とかポジションを守ることができました。レース中は前も後ろもピッタリだったので、一瞬たりとも気を抜くことができませんでした。レース終盤は小林選手のタイヤがたれてきているのが分かったので抜くチャンスをうかがっていたのですが、抜くまでには至らず、逆に後ろとの差が詰まってしまいました」
《3位 #38 岩間浩一選手のコメント》
「久しぶりに頑張りました。夏ぐらいからクルマがオーバーヒート気味で、それを今回直すことができました。水温も安定して良い方向になりました。今年はタイヤも良く、使い方も分かってきました。20年ぶりに鈴鹿の走り方を変えました。パワーの無いクルマということを考えたら今までのラインでは無いと思い、130Rはイン側の縁石に乗ることにより車速が3キロ上がるとか、色々試してみました。これでオートサロンの表彰式に行くことが出来て嬉しいです」
《シリーズチャンピオン #127 小林天翔選手のコメント》
「チャンピオンになったという実感はまだありません。参戦4年目なのですが、昨年は坂井さんがチャンピオンになり、坂井さんとはずっと同じようなところを走っていたので、先にチャンピオンを取られてしまったのが悔しかったです。今年に限って鈴鹿がファイナルで、自分が得意なツインリンクもてぎで勝負ができないので、チャンピオンは難しいと思っていました。そんな中でチャンピオンを取ることができたのはチームのおかげであり、タイヤメーカーさんやオイルスポンサーのおかげだと思います。そして家族の応援もあり、父はクルマを壊してしまったことがプレッシャーだったと思います。レースを止めようかと思ったこともありました。でも一からクルマを作り直し、父が慣らし運転をしたり、セッティングを出してくれたりしてくれたので、自分は走ることに集中することができました。その環境を作ってくれた回りの方々に感謝しています。鈴鹿では初優勝で、1位のトロフィーを受け取った時に感激しました。みんなの笑顔を見たときはレースをやっていて良かったなと思いました。他のチームの方々にも祝福をいただいてN-ONEの仲間はいいなと思いました」