決勝レース 8月29日(土)
天候:晴れ / 路面:ドライ
予選から約3時間のインターバルを空け、12時10分より決勝レースのスタート進行が開始された。強い日差しにより気温は34.3℃まで上がり、路面温度は45.9℃という状況の中でフォーメーションラップ開始。1周の隊列走行を終えた36台がグリッドに着くと、レッドシグナルがブラックアウトして7周のレースがスタートした。ポールスタートの#998吉田は初レースとは思えない落ち着いた走りでマシンをイン側へ寄せ、2番手以下を牽制する形で1コーナーへ向かいホールショットを決める。後方では#38岩間が1コーナーのアウト側から#98菊田に襲いかかり3コーナー手前で前に出て2番手に浮上。その後方では#124川福が#968黒羽をパスして4番手にポジションを上げ、さらに130Rで#98菊田を抜き去って3番手まで浮上する。オープニングラップ終了時の順位は、#998吉田を先頭に#38岩間、#124川福、#98菊田、#410佐々木一平、#968黒羽がつづく。レースが中盤に入ると、#38岩間と#124川福の2番手争いは激しさを増し、テール・トゥ・ノーズのバトルが繰り広げられる。この争いは6周目のヘアピンカーブで#124川福が#38岩間をパスして決着が付いた。先頭の#998吉田は2台のバトルを尻目にペースを上げ、序盤から主導権を握って独走体制を築き、4周目にベストタイムをマークする完璧なレース展開でデビュー戦を見事ポール・トゥ・ウィンで飾った。2位には#124川福、3位に#38岩間、以下#98菊田、#410佐々木、#55塚原啓之の順でチェッカーを受けた。
《優勝 #998吉田恭将選手のコメント》
「気持ち良く走れました。四輪レースは初めてで、ポールポジションも初めてだったのですが、グリッドについて後ろを見たらたくさんクルマがいたので圧倒されました。これは密だと思い、ソーシャルディスタンスを保つために引き離そうと思いました。でも後ろの方たちはソーシャルディスタンスを守らないで付いてくるんですよね(笑)。ついて来るなら引き離さなくてはいけないと思いました。川福さんに詰められたときはタイヤもきつかったので焦りましたが、前半に築いたマージンがあったので逃げ切ることができました。兄2人が実現できなかったデビューウィンを飾ることができて嬉しいです」
《2位 #124川福健太選手のコメント》
「この気温と路面温度は、クルマはもちろんドライバーにとってもタフなレースでした。ヒーター全開で窓を閉め切り、サウナ状態の中で7周とは言え集中して走るのは気が遠くなるような状況でした。僕は前を追いかけてプレッシャーを掛けることに集中していたので暑さを感じづらい状況だったと思います。岩間さんのバックミラーに映る目は、もう来るなよ、って訴えている感じでした。予選は上手くいかず、スーパーフォーミュラが走った後の路面とこの暑さでセットがいつもと違う方向になっていたのですが、決勝に向けて勝負のセットに掛けたら、それがはまった感じでした。フォーメーションラップの時に、これは行けると思いました。チームが変わって最初のレースだったのですが、上手くコミュニケーションをとることができ、チームの実力を実感しました」
《3位 #38岩間浩一選手のコメント》
「暑さにやられました。スタートでは上手く菊田さんをパスできて、菊田さんもフェアにラインを残してくれました。2位に上がることはできたのですが、早い段階でタイヤがダメになってしまいました。2位にポジションを上げたのでトップを追い上げるためにヒーターを全開にして走ったのが身体にきてしまいました。3位に下がってしまってからは少し楽になりました。川福選手に抜かれた時は、インの刺し方が上手く、一瞬見とれてしまいました。とりあえず表彰台に上がれて良かったです。でも今日はレース直後の表彰式が無ければいいのにと思うくらい辛かったです」