決勝レース 10月28日(土)
天候:くもり / 路面:ドライ
公式予選から約3時間のインターバルを空けて12時00分よりスタート進行が始まった。上空は薄曇り、気温20.0℃、湿度55%というコンディションのもと、フォーメーションラップがスタート。一周の隊列走行を終えて全車が正規グリッドに着くと、シグナルがオールレッドからブラックアウト。6周の決勝レースがスタートした。ポールスタートの#36阿久津は走行ラインを変えることなく真っ先に1コーナーへ飛び込み、ホールショットを決める。その背後には#1岩間と#6塚原がつづく。先頭の#36阿久津がS字コーナーへ差し掛かると最後尾のマシンが1コーナーへ進入していく。隊列が西コースへ消えていっても中盤グループは一列にならず、熾烈なバトルが展開される。オープニングラップ終了時点での順位は#36阿久津を先頭に#1岩間、#6塚原、#3 GAMISAN、#770原田、#448ヨシタクがつづく。2周目に入ると3番手の#6塚原と4番手の#3 GAMISANとの差が開き始める。スプーンカーブ手前では#448ヨシタクが#770原田をパスして5番手に順位を上げる。レースが中盤に入るとトップ争いは#36阿久津、#1岩間、#6塚原の3台に絞られる。トップの#36阿久津は#1岩間に0.778秒差をつけて最終ラップに突入するが、ヘアピンカーブで痛恨のミスを犯し、アウト側にラインを外した時に#1岩間にインに入られてしまう。2台は並んだ状態でヘアピンカーブを立ち上がっていくが、スプーンカーブ入口で#1岩間がイン側から#36阿久津をパスしてトップに浮上する。#1岩間はその後トップを守り切り、大逆転で優勝を飾った。2位には#36阿久津が入り、3位は#6塚原、以下#3 GAMISAN、#448ヨシタク、#770原田の順でチェッカーを受けた。この結果#36阿久津が念願のシリーズチャンピオンのタイトルを獲得し、2023年のシリーズが終了した。
《優勝 #1 岩間浩一選手のコメント》
「阿久津さんもノーミスで、最初は3台が離れずどうなるかなとドキドキしました。塚原さんはノーミスできていたのですが、レースが進むにつれてペースが落ちてきたのが分かりました。阿久津さんもタイヤがタレてきたのか、ペースが落ちたので最終ラップのヘアピンでミスしたときにインに入り、スプーン入口で抜きました。ここまでランキング10位だったのですが、これで順位を上げることができて良かったです。皆さんのおかげでここまでくることができました」
《2位 #36 阿久津敏寿選手のコメント》
「スタートが上手くいって、岩間選手が後ろについてくれたので安心して走ることができました。でも結構ミスもしたので詰まってしまい迷惑をかけてしまいました。最終ラップのヘアピンはオーバースピードで入ってしまい、アウト側に膨らんだ時に岩間選手にインに入られました。スプーンの手前で抜かれてしまいましたが、2位でフィニッシュできてチャンピオンを取ることができたので良かったです」
《3位 #6 塚原和臣選手のコメント》
「今年は監督業に専念しようと思っていました。このレースには保険で出ようと思い、あえてJG1で出場しました。チームのJG3に乗っているドライバーがタイムを出すことができない状況だったので、自分が頑張った次第です。レースについては前の2人は速かったですね。前日からクルマに不具合があり、縁石に乗ると調子が悪くなってしまう状態でした。最後の2周は追いかけるのを諦め、後ろとも離れていたので縁石に乗らない走りをして3位キープに切り替えました。N-ONEは楽しいレースなので、来年も監督で参加しようと思います」
《シリーズチャンピオン #36 阿久津敏寿選手のコメント》
「節目の10年目でチャンピオンを獲ることができたのも皆さんのおかげだと思います。今年新しくリリースされたタイヤが去年より縦方向のグリップが良くなり、溝がある新品の状態でもタイムを出すことができるようになりました。決勝に向けてタレの問題はありましたが今日は路面にマッチングしていました。クルマに関しても僕と岩間選手は早い時期からJG3を使っていましたし、JG1からの進化もあり、ブレーキも大分良くなってきたので、トータルバランスが良くなったのも勝利に関する大きな要因ですね。スプーンカーブのような左コーナーではJG1だと浮いてしまうのですが、JG3だとそのままアクセルを踏んでいけるので、そのメリットは大きいですね。今まで無冠の帝王と呼ばれていましたが、55歳にしてチャンピオンを取れたのもN-ONEレースの面白さだと思います」