レースレポート

決勝レース 12月4日（日） 天候：晴れ / 路面：ドライ

公式予選から約3時間のインターバルを挟んでスタート進行が開始された。11時40分よりフォーメーションラップが開始され45台のマシンが正規グリッドに付くと、レッドシグナルがブラックアウト。シリーズ締めくくりの決勝レースがスタートした。ここで抜群のスタートを見せたのがポールポジションの#390坂井。マシンを右側に寄せ、インを締めるラインで1コーナーに入って行く。その背後には#127小林がつけ、#336吉田はアウト側から1コーナーにアプローチして3番手のポジションをキープする。#390坂井はファーストアンダーブリッジを抜けた130Rで#127小林に並びかけられるが、S字カーブで前に出てトップのポジションを守る。しかし、トップ集団がヘアピンカーブへさしかかるころV字カーブでアクシデントが発生。中盤グループを走行していた#111野島 詳久と#380榎本 航がクラッシュしてグリーン上にストップ。直ぐに赤旗が提示され、マシン撤去のためレースは一時中断となる。 約16分後にコースがクリアになり、メインストレートで停止していた43台のマシンは再び当初のグリッドに整列。セーフティーカーの先導でコースを1周し、セーフティーカーがピットロードに入り、マシンがコントロールラインを通過すると残り5周のレースが始まった。先頭の#390坂井は#127小林、#336吉田を抑えて1コーナーに進入。その後方では#999福原、#66高橋が4番手争いを展開し、これに#200西郷 倫規が続く。
先頭を走る#390坂井は終始#127小林の厳しい攻めに苦しめられたが、最後まで一度も首位の座を譲り渡すことなくトップでチェッカーを受け、今期2勝目を挙げた。2位には3周目にこのレースのベストタイムを叩き出す走りで#390坂井を苦しめた#127小林。3位に入った#336吉田はシリーズポイントを60点とし、59点の#390坂井を振り切り念願のシリーズチャンピオンに輝いた。4位には初年度から参戦している女性ドライバーの#66高橋が最終ラップの1コーナーで#999福原を抜き去り自己最高位のポジションでフィニッシュした。
パドック内で行われた仮表彰式では、八郷隆弘代表取締役社長がプレゼンターを務め、入賞した3選手にトロフィーと賞品ボードを渡して2016年N-ONE OWNER’S CUPシリーズは終了した。

《優勝 #390 坂井 拓斗選手のコメント》
「とても楽しかったです。小林さんとフェアなバトルができました。レース前に楽しもうね、と言っていたのが現実になって良かったです。レース中は毎コーナー必ず付いてきたので気が抜けなかったです。何回も横に並ばれました。彼は立ち上がりが速く、フェイントが上手いので、インから来るのかアウトから被せて来るのか読めなかったです。自分はミラーを見ながらブレーキングポイントを変えたりしました。赤旗については、再スタートがローリングスタートなので後ろを引き離しやすいのと、周回数が1周減算でタイヤにマージンが取れるので正直に言うと助かりました。これまでを振り返ると、父と一緒にレースをすることができて良かったのと、N-ONEシリーズが毎日の生きがいになって充実した1年を過ごすことができました。しかも開幕戦と最終戦を優勝で飾れたので、スタートとゴールがびしっと締まって満足です。本当に良い1年でした」

《2位 #127 小林 天翔選手のコメント》
「坂井さんと吉田君と3人でバトルができて本当に楽しかったです。1年を通してやってきたことが最後に結果を出せたのではないかと思います。ペースは悪くなかったので、レースを盛り上げようと坂井さんに仕掛けたりしたのですが、後ろから吉田君が迫って来るし、とても辛かったです。今は坂井さんに優勝おめでとうという感じです」

《3位 #336 吉田 綜一郎選手のコメント》
「途中で赤旗などがあって長いレースになったなと思いました。最後までどうなるか分からないドキドキしたレースでした。レース中はスタートから前の2台がトップ争いをしていたので、これは抜けるかもしれないと思っていました。無理をしてクラッシュしたら大変なので落ち着いて走りました」

《シリーズチャンピオン #336 吉田 綜一郎選手のコメント》
「ようやく獲れたチャンピオンなので本当に嬉しいです。この結果はチームの努力のおかげだと思います。シリーズ終盤は表彰台に上がるのがやっとという状態だったのですが、チャンピオンになれて嬉しいです」