決勝レース 9月29日(土)
天候:くもり / 路面:ドライ
公式予選終了から3時間のインターバルを置いてスタート進行が始まった。気温はやや上がってきたもののサーキット上空は予選と同じく厚い雲に覆われる。12時40分よりフォーメーションラップが開始された。1周の隊列走行を終えて44台がグリッドに着くと、シグナルがオールレッドからブラックアウト。ポールスタートの#123小山は好スタートを見せ#5鈴木を抑えて1コーナーへ飛び込んで行く。その後方では4番手スタートの#36阿久津が#60原田を1コーナーの進入でパスして3番手に順位を上げる。#123小山と#5鈴木のトップ争いはオープニングラップから激しいバトルを展開するが2台のペースは速く、3番手以下を大きく引き離す。1周目を終え#123小山がまずコントロールラインを通過すると、その直ぐ後ろに#5鈴木がピタリと付き、少し離れて#36阿久津、#60原田、#998福原がつづく。さらにその後方では#69寺地を先頭に#373清原 章太、#38岩間 浩一、#401松本 玲二、#101川福 健太による熾烈な6番手争いが繰り広げられる。
レース中盤以降トップ争いは#123小山と#5鈴木の2台に絞られる。この2台はストレートで差が縮まるが、インフィールドに入ると差が広がるという展開がつづく。FIA F4で腕を磨いている#123小山は#5鈴木の執拗なアタックを巧みに交わし、最後までトップの座を守り切り、嬉しい今季1勝目をポール・トゥ・ウインで飾った。3位に#36阿久津、4位に#60原田、5位には#998福原が入った。一方、レース序盤からつづいた6番手争いは6周目のハイポイントコーナーで#373清原が#69寺地を捉えて6番手に浮上し、そのままチェッカーを受けた。
《優勝 #123 小山 美姫選手のコメント》
「ストレートで追いつかれることを予想していたので、最終コーナーをアウトからインべたで真っ直ぐ立ち上がれるようにしました。鈴木選手はレース経験が豊富なので色々なラインを持っているんです。1コーナーのプッシュの仕方もアウトから仕掛けるパターンやクロスラインになるパターンなど引き出しが豊富でした。でもある程度は予測していたので抜かれることはありませんでした。レース中はずーっと後ろを見ていたので、自分がどこを走っているのか分からない状態でした。1コーナーから先は自分の方が速かったので、そこは安心して走ることができました。鈴木選手が横に並ばれたらダメだと思ったので、つねに前を走るようにしました。ストレート上にある残り周回数の表示の変わるタイミングが微妙で、最後は危うく周回を間違えるところでした。鈴木選手とはフェアな戦いができたと思います」
《2位 #5 鈴木 宏和選手のコメント》
「予選のミスが全てです。台数も多いし、仕方ないですよね。でも、レースを楽しむことができました。小山選手には色々なパターンで攻めましたけど、どれにも引っかかりませんでした。彼女は冷静だし、上手ですね。レース中に変な締め方をすることもなく、クリーンなレースができたと思います。N-ONEのレースは最高速度が低いので、あのようなバトルができる、それが利点だと思います。速度が低い分だけ自由度が多く、タイヤのグリップが低いので、低速でバトルが楽しめますね。速いクルマだとあそこまでクルマを振り回したり、突っ込んだり出来ないですからね。このレースは台数も多いので混戦になるし、いろいろ考えながら走ったら面白いと思います。N-ONE、初心者にもお勧めです!」
《3位 #36 阿久津 敏寿選手のコメント》
「前の2台に走りを勉強させていただきました。スタートはすんなり原田選手の前に出させていただきました。3、4周はタイヤを温存して様子を見ようと思ったのですが、トップ争いの2台はバトルをしているのにタイムは落ちてこないんですよね。自分はレコードラインを走り、前の2台はバトルのラインなのに全然差が縮まらない状態でした。最終ラップに周回遅れが入ったので、これは面白い展開になるかなと思ったのですが、自分が周回遅れのクルマに引っかかってしまいました。結局今回は単独走行になってしまいました。小山選手も鈴木選手も上手いです。熱いバトルを後ろから見せていただきました。自分なりには精一杯のいい走りができたと思います。菅生で久しぶりに完走できて良かったです」