決勝レース 12月7日(土)
天候:くもり / 路面:ドライ
上空の雲が太陽の光を遮り、午後になっても気温は8.4度までしか上がらない鈴鹿サーキット。13時45分よりスタート進行が始まった。決勝グリッドには出走を取り止めた1台を除く48台が整列し、選手紹介が終わるとフォーメーションラップが開始された。1周の隊列走行を終えて全車がグリッドに着くと、後方でグリーンフラッグが振られ、シグナルがオールレッドからブラックアウト。6周のレースがスタートした。絶妙なスタートを見せた#36阿久津は#200西郷に並ぶように1コーナーへ向かっていくが前に出ることはできない。#200西郷はホールショットを奪ってレースの主導権を握る。そしてS字コーナーの入口で#38岩間が#36阿久津のインに入り、二つ目でパスして2番手にポジションを上げる。その後方では2コーナーで#74小野と#998吉田が#390坂井を抜いてそれぞれ4番手、5番手に浮上。先頭の#200西郷は2番手との差を開いてダンロップコーナーを駆け上がり、西コースへ消えていく。しかし、#38岩間はヘアピンカーブ手前で#200西郷との差を詰め、テール・トゥ・ノーズの戦いに持ち込む。オープニングラップが終了した時点での順位は#200西郷を先頭に#38岩間が2番手、少し離れて#36阿久津、#76楠井、#74小野、#998吉田がつづく。2周目に入るとトップ争いは#200西郷と#38岩間の2台に絞られ、#74小野、#998吉田、#390坂井による5番手争いが激しくなってくる。ヘアピンカーブで#998吉田が#74小野の前に出ると、今度は#74小野がスプーンカーブで#998吉田を抜き返して順位を戻し、さらに#390坂井も#998吉田をパスして6番手に浮上する。しかし、この直後スプーンカーブでアクシデントが発生し、セーフティカーが導入されてしまう。コースがクリアになるとセーフティカーがピットに入り、レースが再開される。残り周回数は2周。#200西郷は#38岩間を抑えて1コーナーへ進入。しかし、#38岩間も#200西郷に離されまいと必死に食らいつく。その後激しいトップ争いは最終ラップまでつづき、日立オートモティブシステムズシケインの入口で#38岩間が#200西郷のインに飛び込むが、縁石をまたいでしまい、シケイン二つ目でコースをショートカットしてしまったために順位を上げることはできなかった。結局#200西郷は最後までトップを死守し、ポール・トゥ・ウィンで優勝と念願のシリーズチャピオンを獲得した。2位には#38岩間、3位には#36阿久津、以下#76楠井、#74小野、#998吉田の順でチェッカーフラッグを受けた。しかし、レース終了後の再車検で、#38岩間は車両規則違反により失格となってしまう。これにより3位以下の順位が繰り上がりとなり、#390坂井が6位という結果になった。
《ポールポジション #200西郷倫規選手のコメント》
「今日は予選ありきでしたね。昨日の時点ではトップとタイム差があったので若干諦めていました。でもポールを取れたのが一番ですね。レースは岩間さんと自分では速いところと遅いところが違うので、離れたり近づいたりの繰り返しだったので、ポイントだけ抑えていれば抜かれないと思っていました。途中でセーフティカーが出たときはこのまま終わって欲しいと思いました。リスタートの前は岩間さんがピタリとついていたので、どういう作戦でいこうか考えていました。コントロールラインギリギリまで待とうかとも思ったのですが、130Rから全開でいきました。レースが再開した後は周りを気にしないようにして前だけ見て走りました。最終ラップのシケインでは危ないシーンもあったのですが冷静に対処することができました」
《2位 #36 阿久津敏寿選手のコメント》
「緊張したレースでした。スタートはフライングしたかなと思うぐらい完璧でした。でも1コーナーまでに西郷さんに並ぶことはできませんでした。岩間選手に抜かれてからは前の2台が離れてしまい、自分のミスもあり楠井選手につかれてしまいました。とりあえずシリーズ表彰式には残ることができたと思います。練習走行までは苦しかったですが、表彰台に上がることができて嬉しいです。今年はタイヤのセッティングに苦労しましたが最終的には良い感じになりました。シーズン中盤にはCVTを交換したり、色々トラブルもありましたけど、やっと最後になって良い方向になりました。今回は吉田選手と小野選手が予選で前にこなかったので助かった部分もありました」
《3位 #76 楠井義則選手のコメント》
「ペースが上がらず後ろに迷惑をかけてしまいました。その影響で後ろの方達がバトルになり、順位が入れ替わる展開になってしまいました。繰り上がりの3位ですが楽しいレースでした」
《シリーズチャンピオン #200 西郷倫規選手のコメント》
「念願のチャンピオンが取れました。まさか自分がチャンピオンになれるとは思っていませんでした。始めた当初から表彰台に上がることができればいいかなという気持ちだったので、まさかチャンピオンを獲れるなんて考えたこともなかったです」