January 26 2020 N-ONE OWNER’S CUP 耐久レース 鈴鹿サーキット
N-ONE OWNER’S CUP 耐久レース(N耐)が、2020新春鈴鹿ゴールデントロフィーレースの中でワンデーレースとして開催された。 レースの特徴としては「2回以上のドライバー交代」、「ピットイン時は最低10分間のピット滞在時間」が義務付けられ、1回の燃料給油量は10リットル、1人のドライバーが走ることができる最大合計時間は120分以下に制限される。そして公式予選は行われず、スターティンググリッドは登録されたAドライバーの「2019 N-ONE OWNER’S CUP」シリーズランキング順により決定される。また、全ドライバーはフリー走行で基準タイムをクリアしなければならない。これによりポールポジションは、#36 DLヌヴォラーリwx N-ONE、2番グリッドには#220ホンダクリオ富士N-ONE A、以下#38 HCM☆SUPER☆N-ONE、#15 ツカハラレーシングN-ONE、#75 SPMレイハートμN-ONE、#4ホンダカーズ北九州☆N-ONEの順番でグリッドに並ぶことになる。 レース前日の土曜日には60分間のフリー走行が2回行われ、ドライコンディションの中でトップタイムをマークしたのは#700東野レーシングN-ONE(HIROBON)でタイムは3分05秒968。2番手には#76楠井 義則、3番手には#15塚原 和臣、以下#38岩間 浩一、#3 Cars東京都N-ONE #3(多田 安男)、#101 TUBEカーズ鳥取N-ONE(桝本 隆介)がつづいた。 走行終了後には事前車両検査と燃料空タンク検査が行われ、検査に合格した車両はパドックで全車保管された。
決勝レース 1月26日(日)
天候:くもり / 路面:ウエット/ドライ
決勝レースを迎えた日曜日の朝は、時折小雨が降るコンディションとなった。
7時50分よりピットビル2階のラウンジでレース前のドライバーズブリーフィングが行われ、スターティンググリッドが発表。その後、スタート前チェックが行われ、スタート車両に10リットルの給油が行われた。
スタート進行が開始される頃に雨は上がるものの、気温9.3度、路面温度は11.3度で、コース上にはウエット部分が所々に残っている状態。グリッドへの試走開始から5分が経過した11時20分にピットロード出口が閉鎖され、34台がコースを1周してグリッドに着く。
グリッド上での選手紹介が終わると11時45分よりペースカー先導によるフォーメーションラップが始まった。1周の隊列走行の後ペースカーがピットロードに入るとシグナルがグリーンに変わり、11時51分に4時間耐久レースがスタート。まずは#220吉田 隆ノ介が先頭で1コーナーへ進入。これに#36阿久津 敏寿、#15塚原 和臣、#38岩間 浩一、#75 木下 将太郎、#4福川 光一郎がつづく。
1周目からペースを上げて後続を引き離した#220吉田 隆ノ介は、トップでコントロールラインを通過してそのままピットイン。給油した後にドライバーを兄の吉田 綜一郎に交代する。
オープニングラップを2番手で戻ってきたのは#75 木下 将太郎、3番手の#700 HIROBONは給油のためピットイン、以下#93 Cars東京都N-ONE#93(馬場 和三郎)、#968ラウズレーシングN-ONE(黒羽 啓太郎)、#36阿久津 敏寿がコントロールラインを通過していく。このレースは燃費を稼ぐためにペースを落として走行するチームと給油回数は増えてもハイペースで周回するチームが混在するが、勝敗を左右するのはセーフティカー導入のタイミングとなる。23周目にはトップを走る#277アクセスレーシングN-ONE(松田 利之)がスプーンカーブ手前でガス欠を起こしてストップし、セーフティカーが導入される。
このセーフティカー導入によるタイムロスの影響を受けなかった#75木下 将太郎は序盤からレースをリードし、24周目に2回目のピットインで森本 進一に交代。
しかし、今度はトップを走行中の#75森本 進一が37周目の130Rでガス欠を起こしストップ。再びセーフティカーが導入される。
残り1時間を切るとほとんどのチームが最後の給油を済ませ、最終スティントに勝負を賭ける。中でも#740チームWako N-ONE PROは36周目に山田 匠祥がステアリングを握ると着実に順位を上げ、52周目にトップに躍り出るとそのまま60周を走りきり、嬉しいトップチェッカーを受ける。
優勝はドライバー3人が今回初めてN-ONEをドライブした#740チームWako N-ONE PRO の三好 祥緒/荒牧 和敬/山田 匠祥組、2位には#38HCM☆SUPER☆N-ONEの坂井 拓斗/中西 正峰/岩間 浩一組、3位には#220ホンダクリオ富士N-ONE Aの吉田 隆ノ介/吉田 綜一郎/前嶋 丈浩組、4位#15 ツカハラレーシングN-ONEの塚原 和臣/塚原 啓之/柴崎 久組、5位#671 YAMATO N-ONE 2の椋本 陵/若林 勇成/上野 大輝/豊山 誓也組、6位#93 Cars東京都N-ONE#93馬場 和三郎/兵頭 信一/山本 智博/磯田 尚孝組、7位#4ホンダカーズ北九州☆N-ONEの福川 光一郎/石橋 一人/下司 翔太組、8位には55周目まで4番手を走った#130 YHテックプロN-ONEの和田 将人/笹森 明彦/新田 泉組が入った。なお、31番グリッドからハイペースの走りで追い上げを見せて上位をキープし、一時はトップを快走した#840頑固一徹レーシングN-ONEの清水 和夫/石井 昌道/佐藤 久美/齊藤 一典/齊藤 洋輝組は59周まで4位のポジションを走るも最後にチェッカーを受けることができずリタイヤとなってしまった。
《優勝チーム #740 チームWako N-ONE PRO 三好 祥緒選手のコメント》
「初めてのN-ONE耐久参戦だったのですが楽しかったです。もてぎのJoy耐には参加していますが、N-ONEで走るのは昨日が初めてでした。表彰台に初めて上りましたが、景色がいいですね。シャンパンファイトも気持ち良かったです。レースは作戦どおりで、セーフティカーも上手く活用することができました」
《2位入賞チーム #38 HCM☆SUPER☆N-ONE 岩間 浩一選手のコメント》
「今までN-ONEの耐久レースに3回出場しましたけど、耐久レースだけは無冠だったので今年は狙っていました。でも、作戦を教えた740号車が優勝してしまいました。今回は全てが上手くいきました。セーフティカーの時にたまたまピットに入っていたり、ピットアウトした時もセーフティカーの前に入ることができたりとか、運も味方に付けることができました。いつも人手が足りない状況だったのですが、今年はシリーズに参戦している水野選手が手伝いに来てくれたりして、スタッフにも余裕ができたので色々な作戦を立てることができました。チームワークで獲得した成績だと思います」
《3位入賞チーム #220 ホンダクリオ富士N-ONE A 前嶋 丈浩選手のコメント》
「今まで楽しむことを目的にレースをしてきたのですが、今回は上位を目指すという目標を持って臨んだら楽しみ方が全く違いました。結果を目指した方が感動も大きいですね。表彰台に上がった時は、こういう光景もあるのだと感激しました。今回のレースは勉強になりました」
(吉田綜一郎選手)「前嶋社長の番になった時、予想以上にタイムが良かったので、これは結構いけるのではないかとワクワクしました」
(吉田隆ノ介選手)「最後に燃料をセーブする場面があったのですが、後ろから追い上げられてびびりながら走りました。でも表彰台に上がれて良かったです」