決勝レース 10月30日(土)
天候:晴れ / 路面:ドライ
気温が23.5℃まで上がった鈴鹿サーキット。公式予選終了から4時間のインターバルを空けてスタート進行が始まった。グリッド上での選手紹介が終わると12時55分にフォーメーションラップが開始。1周の隊列走行を終えて全車がグリッドに着くと、シグナルがオールレッドからブラックアウト。ポールスタートの#158谷川はラインを変えることなく真っ先に1コーナーへ飛び込んでホールショットを奪う。その後方では上手い動き出しを見せた#98菊田が1コーナー手前で#123川福に並び、アウト側からオーバーテイクして2番手に順位を上げる。しかし、#123川福はダンロップコーナーで#98菊田のアウト側に並ぶと次のデグナーカーブの進入でインから抜き去りポジションを2番手に戻す。さらにその後方では#999吉田がS字コーナー入口で#34和田をパスして5番手に浮上。7番手スタートの#36阿久津も逆バンクで#34和田の前に出て6番手にポジションを上げる。オープニングラップ終了時点でのトップ6は#158谷川、#123川福、#98菊田、#223吉田、#999吉田、#36阿久津の順。2周目に入ると#123川福と2番手争いを展開していた#98菊田が逆バンク手前で痛恨のコースアウト。コースには戻れたものの順位を大きく落としてしまう。その後先頭を行く#158谷川はペースを上げ、3周目に自己ベストタイムをマークして独走体制を築き、レース終盤にペースが落ちる場面もあったが2番手とのマージンは十分あり、見事ポール・トゥ・ウィンでシーズン2勝目を飾った。2位には#123川福、3位にはこのレースでのファステストラップを叩き出してレースを盛り上げた#223吉田、以下#999吉田、#36阿久津、#15塚原和臣が入賞した。この結果#123川福は#999吉田に16ポイントの差をつけて念願のシリーズチャンピオンに輝いた。
《優勝 #158谷川達也選手のコメント》
「上手くスタートが切れました。2番手がS字で争ってくれたのでそこで差が開き、後ろを見る余裕ができました。レース後半は予選で頑張り過ぎた分タイヤがタレてしまい、差を詰められて苦しんだのですが、それでも後ろを見ながら走りました。みんな若いのでおじさんはフラフラでした。僕の持ち味は1周目で後ろを引き離すことなので、先行逃げ切りでタイヤも気にせず行けるとこまで行きました。4周目あたりからタイヤがきつくなったので、そこからは後ろを気にしながら走りました。来年またチャンスがあれば皆さんと楽しみたいと思います」
《2位 #123川福健太選手のコメント》
「予選結果は吉田選手との間に3台いました。その3台を上手く使って順位をキープすればチャンピオンは取れるという状況だったので、有利な展開だということは分かっていました。スタートは悪くなかったのですが、菊田選手の加速が良くて1コーナーで外から抜かれてしまいました。でもその時は1台に抜かれても、まだ後ろに2台挟んでいるので焦ることはなかったです。走りながら前と後ろの状況を考えても大丈夫だと思いました。無理に抜こうとは思っていなかったのですが、ダンロップコーナーのラインをアウトに取ってデグナーでインから前に出ることができました。谷川選手は3周目あたりからペースが落ちてきたのですが、抜ける状況ではなくて差が縮まったり開いたりという展開でした。後ろは少しでもミスすれば追いつかれそうな勢いでした。後ろから二人の吉田選手が虎視眈々と狙っているのが分かりました。後ろとはタイヤ特性の違いもあって速いセクターと遅いセクターが異なり、速い所ではアドバンテージを稼ぎ、遅い所はそのアドバンテージを使って守る走りをしました。ファイナルラップのS字を抜けたところでの後ろとの差を見てミスをしなければ順位を守り切れると思いました」
《3位 #223吉田祐太選手のコメント》
「今までは十何位という順位しか取れなかったのに、ファイナルという大きな舞台で3位に入れて本当に良かったです。表彰台の上はスタンドの景色を見て感激しました。残り3周ぐらいから川福選手に近づけるコーナーがあったりしたので、とにかく前を追いかけました。後ろからは吉田恭将選手が追いかけてきていましたが、前に集中しました。川福選手を抜くことはできませんでしたが、速さを見せることができたのは良かったと思います。最後のシケインでいけるかもしれないと思ったのですが、川福選手はチャンピオン争いをしているのでクリーンに行こうと思いました」
《シリーズチャンピオン #123川福健太選手のコメント》
「過去にファイナルまでポイントがフルマークでチャンピオンになったケースがなかったので自分も怖かったです。でもシーズンを通して積み上げてきたドライビングテクニックやチームと積み重ねてきたセッティングが自信になっていたので、このまま走ればチャンピオンは取れると思いました。カートを含めて今までシリーズチャンピオンを取ったことがなかったので嬉しいです。来年はゼッケン1番をつけて走りたいです」