決勝レース 5月15日(土)
天候:雨 / 路面:ウェット
予選が終了すると雨脚が強くなり、決勝レースのスタート進行は30分以上遅れて始まった。気温18.3度、雨が小降りとなった12時48分にフォーメーションラップ開始。1周の隊列走行を終え、21台のマシンが正規グリッドに着くとレッドシグナルがブラックアウトして7周の決勝レースがスタートした。ポールスタートの#21金山はマシンをやや左へ寄せ、後続を牽制しながら先頭で1コーナーへ入ってホールショットを奪う。その後方では#4石橋が2番手で1コーナーへ入るが#234本田にインから接触され、コース上でスピンしてストップ。これを避けようとした#39真弓はアウト側のグラベルを走行し順位を落としてしまう。さらに後ろのグループが迫ってくると#4石橋と同じチームの#44下司翔太が#4石橋のマシンに接触して2台がコース上でストップしてしまう。ここで2番手に順位を上げたのは#12福川で、その後方に#55塚原、#10目出し帽、#444カルロス本田らがつける。日立Astemoコーナーでは#55塚原と#10目出し帽の2台が並んで進入。インを取った#10目出し帽が#55塚原の前に出る。その先の250Rでは#444本田が#55塚原をアウトからパスして順位を上げる。トップを走る#21金山は後方での混乱を尻目に独走体制を築くが、1コーナーのストップ車両を排除するためにセーフティーカーが導入され、後続車とのマージンはなくなってしまう。1周目を終了した時点での順位は#21金山を先頭に#12福川、#10目出し帽、#444本田、#55塚原、#75松本。コース上がクリアになるとセーフティーカーがピットロードに入り、残り3周のレースが再スタート。#21金山は落ち着いた走りで#12福川を抑えトップをキープして1コーナーへ入っていく。この2台に少し離されて#10目出し帽と#444本田も1コーナーへ消えていく。レース終盤となる5周目に入ると#55塚原のペースが上がらず、先頭集団は#444本田までの4台に絞られてくる。結局#21金山は最後まで#12福川のプレッシャーに動じることはなく、トップでチェッカーを受け、嬉しい初優勝をポール・トゥ・ウィンで飾った。その#21金山に0.5秒差でフィニッシュした#12福川が2位。3位には6周目にポジションを上げた#444本田、以下#10目出し帽、#55塚原、#75松本の順でレースは終了した。#21金山は年齢が68歳でN-ONEレースにおける最高齢でのポールポジションと優勝を成し遂げたことになる。この#21金山は今も2輪レースに参戦しており、過去には世界耐久選手権 鈴鹿8時間耐久ロードレースに親子で出場した経験もある。また、#21金山、#12福川、#444本田の3人はN-ONEレースでは初表彰台で、さらに新型車両JG3でのポールポジションと優勝も今回が初めてという記録ずくめのレースとなった。
《優勝 #21金山和弘選手のコメント》
「ぶっちぎりのレースになると思ったのですが、セーフティーカーが入ってしまったので、それはかないませんでした。新型の車両とチームの皆さんのおかげで優勝させていただきました。塚原さんを含め、色々な方に指導していただきました。この歳になってもN-ONEはまだ3年目ですので、色々なことを吸収しながらレースをしてきました。ここ数ヶ月で学ぶことが多かったです。セーフティーカーが入っているときは、ブレーキやアクセルオンのタイミングを変えて後ろの福川さんの様子をうかがったのですが、リスタートは普通のタイミングで全開スタートしました。再スタート後も余裕を持って走ることができました。新型は中速域が速いので、インを締めて加速すれば後ろを引き離すことができました。これなら絶対に抜かれないと思いました。今回は予選からレースまで100点満点でした。これまでのレース経験が活かされたレースでした。予選もレースもVSAをオンにして走りました。Honda Sports & Eco ProgramでVSAの経験を積んだのがとても役に立ちました」
《2位 #12福川光一郎選手のコメント》
「50戦無表彰台の記録を更新するかと思いましたが、最後の最後に表彰台に上がることができて良かったです。セーフティーカーがいなくなった後は、金山さんがセーフティーカーを追い越す勢いでダッシュするのが分かっていたので、金山さんに合わせてスタートして後ろを離すことができたのでちょっと余裕ができました。本田さんとは前回のオートポリスも同じような展開だったので気心知れた方とのバトルということで、で安心して走ることができました」
《3位 #444カルロス本田選手のコメント》
「雨が降ってくれて嬉しかったです。今回は九州地区や中国地区から応援団が来ていたので表彰台を狙っていました。表彰台に上がれて良かったです。」